イベント情報
しおさい名画劇場 なつかしの邦画名作特集「成瀬巳喜男監督作品2本立て」
明石市民会館大ホール 10月22日(水)
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■料金一日通し券500円(全席指定・税込) ■時間11:00~「乱れ雲」(1967年108分) ■発売日しおさいクラブ引き換え開始日・一般発売 8月22日(金) ■チケット取り扱いアワーズホール・明石市立市民会館 TEL 078-912-1234 ■主催【主催】アワーズホール・明石市立市民会館、文化庁/東京国立近代美術館フィルムセンター ■お問い合わせアワーズホール・明石市立市民会館 |
公演内容
お得な一日通し券で今年も発売★
11:00~「乱れ雲」
◆乱れ雲 [1967年 東宝]
[スタッフ]
脚本 山田信夫
監督 成瀬巳喜男
製作 藤本真澄
撮影 逢沢譲
照明 石井長四郎
録音 藤好昌生
音楽 武満徹
美術 中古智
[出演者]
三島史郎 加山雄三
江田由美子 司葉子
四戸勝子 森光子
常務の娘 淳子 浜美枝
石川文子 草笛光子
林田勇三 加東大介
由美子の夫 宏 土屋嘉男
石川 藤木悠
藤原部長 中丸忠雄
武内常務 中村伸郎
葛西所長 小栗一也
(カラー シネマスコープ 108分)
[解説]
事故とはいえ車で人をひき殺した青年商社マン、その事故のせいで突然エリート役人の夫を失った女。この二人の微妙に揺れ動く心理を、成瀬巳喜男監督は淡々としたカットを積み重ねることで的確に描き出していく。普通ならば交わることのない二人の関係を、『憎いあンちくしょう』(1962)などで知られる山田信夫の緻密な脚本を得て、成瀬監督はそれぞれの心の葛藤にまでメスを入れた、内面のドラマへと昇華させていった。そこに横溢しているのは、あっという間に崩れていく人間の生のはかなさであり、死の匂いである。東京から青森に舞台が移り、当初の深い憎しみが徐々に愛情に変わりはじめ、自らの理性と感情の相克に悩むという、難しい役柄を司葉子が好演し、彼女の代表作となった。映画がまだサイレントであった1930年に監督デビューし、その後87本もの作品を世に送った巨匠成瀬監督の遺作にふさわしい秀作である。
13:30~「おかあさん」
◆おかあさん [1952年 新東宝]
[スタッフ]
原作 〈森永母を讃える会〉選定 「全国児童綴方集」より
脚本 水木洋子
監督 成瀬巳喜男
製作 永島一朗
撮影 鈴木博
照明 佐藤快哉
録音 中井喜八郎
音楽 斉藤一郎
美術 加藤雅俊
[出演者]
福原正子 田中絹代
長女 年子 香川京子
平井信二郎 岡田英次
年子の弟 進 片山明彦
木村庄吉 加東大介
正子の夫 良作 三島雅夫
正子の妹 栗原則子 中北千枝子
年子のおばさん 三好栄子
伸二郎の母 みの 本間文子
小物屋 おせい 沢村貞子
(白黒 スタンダード 98分)
[解説]
この作品は当時、全国の小学生から募集した作文をまとめた「おかあさん」をもとに、女流脚本家の第一人者、水木洋子が脚本化したものである。戦災で失ったクリーニング店をようやく再開したのもつかの間、夫は過労で病床に伏し、病弱な長男は息を引き取った。娘二人と幼い甥をかかえて懸命に働く母。そんな生活ぶりを長女の目を通して描いたこの作品は、日本映画のリアリズムの伝統を踏襲したものといえよう。淡々とした生活描写のなかで、母と店を手伝う昔の使用人との噂への反応や、密かに芽生える恋心など、思春期の少女の微妙な感情が、成瀬監督の丁寧で緻密なカットの積み重ねにより描かれ、独自の世界を築き上げている。主演の大スター田中絹代がこの翌年、初めての監督作品『恋文』を演出することになった時、成瀬監督に指導を仰げと助言をしたのは、溝口と小津の両巨匠であった。「キネマ旬報」ベストテン第7位。なお、同監督の『稲妻』も同年の第2位を獲得している。